2001年10月14日●日曜日
器は物の個性を伸ばしたり消したりする。

素晴らしい器に、ちょっとだけ何か盛りつける。
いっぺんに器で、物がそれ以上のものになる。
その反対に、色のあまり良く映らないものを盛りつける。
盛ったものが器に負けて、しょぼりんとなる。
小さめの器、たくさんあると良い。
一人一人、違う器で同じ物を盛りつけて供したり。
気分によって、今日はこれ、とか。
銘々に好きな器を選んでもらうのも楽しい。
その器の色が、盛りつけたものと手に取る人を染める。
人の言葉も同じ。
考えなく発した言葉が、誰かを傷つけて可能性を無にする。
同様に、何の気無しに言ったことばが、誰かを輝かせる。
動物に言葉はない、その分本能で付き合う。
人間は言葉を持つ。
だから複雑な感情の行き違いも出る。
言葉は恐ろしい。 でも器はおもしろい。

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