2001年11月1日●木曜日
テーブルに何気なくおいてあった小さめの茶壺
3つまあるい足がついていて「ぷうすけ」とか
名前を呼んでみたくなる可愛さでした



 今日は市内のお茶屋さんへ行きました。 かねてからお願いしていた「麦飯石」が入荷したとメールいただき、そのお支払いと、
中国へ行かれるときに「買って来てくださいあったら!」と、重いのにご迷惑にもお願いしたどんぐり胡桃も、一緒に引き取り
とお支払いしなければなりません。いやあ、相変わらず迷惑な客です。更に、ご主人と奥様の親切につけこんで?お茶をご馳走に
なってくる私でした。帰国したてのご主人、たくさん茶葉を抱えて帰って来られたのです。

●今日、ご馳走になったお茶●

 ・凍頂烏龍(比較的安価で買いやすいもの)
 ・阿里山
 ・毛観音王
 ・観音王(毛観音王より高価らしい)
 ・金萓茶(らしい香りと味)
 ・(門の中に虫の字)北水仙(ミンペイスイセン)
 ・白鶏冠
 ・大紅袍
 ・白鶏冠(さっきと違う農園のもの)

これも可愛い!
奥様の小さな茶壺

先日伺ったときにご馳走になった凍頂烏龍は、非常に高価なもので、まさに濃厚なミルクの香りでしたが、今日のはさっぱり
とした個性の、高原にふく風のようにさわやかなお茶でした。水色も軽く、すがすがしい気持ちになりました。もう1つ高山
系列の阿里山も、同じような感触のお茶でしたが、こちらの方がはっきりとした水色で、香りも同様でした。どちらも水だし
茶にすると、非常に合うのではと思いました。

毛観音王は、鉄観音らしからぬ優しいお茶でした。しかし、舌の両脇に確かに鉄観音の味というか苦みっぽいものがあります。
香りも鉄観音というイメージではないです。もっともっと優しい。茶葉を直接匂いをかいでみた時には、こんなに優しいお茶だ
とは考えもしませんでした。苦みも酸味もない。非常に穏やか。綿毛布のようです。

観音王は、先ほどの毛観音王よりだいぶ高価だそうです。茶葉はなんだかタバコの湿気ったような香り(言い方が悪いですよね)
な気がして、ちょっと警戒しました。しかし、これもまた思惑とは裏腹、うれしい裏切り美味しいです。濃い水色。岩茶らしい
岩の香りとでもいうか・・・ごつっとした感じですが、きつくはないです。

金萓茶は、まさにそれという香りと味でした。甘い、ちょっとミルクっぽい。味もそう、はっきりとした細いながら腰のある。
水色もらしい美しい黄色です。考えたままのお茶。香りが甘くあとを引きます。

ミンペイ水仙、聞くのも飲むのも初めてです。なんだろう、この茶葉の香り。味は、と、飲むとなんと衝撃的な。幼い頃転んで
口に入ってしまった草の香り!こんなお茶は初めてです。青い草の香りがします。でも、味自体は飲みやすいです。

大紅袍、先日のは全く控えめな、ただただ優しいお茶で、喉の奥に吸い付いてくるようにすすすっと入って行きましたが、今日
の大紅袍は全然イメージが変わっています。酸味が強く、とても薫ります。同じ名前がついて、白鶏冠もそうですが、どうして
こんなにも違うのでしょう、と、お茶やさんと話しました。茶葉の出来、季節、焙煎の程度、農園によっての製造工程の癖。そう
今日のお茶で同一農園のお茶葉は、どれも癖が煮ていました。特に香りです。最初はぷわーんと、そのお茶葉独特の香りがして、
聞香杯の温度がちょっと下がってくるにつれ、なぜだか酸味が奥から出てくるのです。そうかあ、農園によっても・・・。

白鶏冠、ナッツのような木のような茶葉の香り。香りも味も先日の白鶏冠とは全く違います。なんで?という不思議さ。力強く、長く薫る。桃と杏を足して割ったような、桃ほど甘ったるくないけど、杏ほど酸味のない香りに、少し木の香りがするような。とてもはっきりと主張してきます。味もそう。

白鶏冠、もう1つ、別の農園のもの。もうこのころになってくると、すっかりだめ、美味しいとかぐらいしか分からなくなって。
ああもったいない、情けない。

ますますよく分からないですよ、こうなると。まず飲んでみるしか、方法はないです。お茶の名前は、ただの目安です。


さあ、真っ暗になってしまった戸外。お茶の余韻が頭と口と喉でわんわん。体が熱くなってぼ〜っと。外の空気が冷たくて丁度
良い感じです。しゃきっとして運転して帰らないと。幸せな日でした、今日も。

帰宅してから「麦飯石」を熱心に洗ってから20分以上煮沸しました。簡易浄水器にかけた水の中に、石を沈めます。約4時間後
グラスに移して飲んでみました。おお、これは、美味しい〜。お願いして仕入れていただいて本当に良かった。水が美味しい。
ということは自動的に、その水で煎れるお茶も美味しいに違いない。これでまた食いしん坊の幸せが1つ増えたわけです。

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